イーサリアムの特徴とは?仕組みや歴史を解説(Ethereum)

ビットコインに次ぐ時価総額を誇る仮想通貨「イーサリアム」は、世界中の取引所で注目されている主要アルトコインのひとつ。 本記事ではイーサリアムの特徴について説明します。

イーサリアムとは?

g_05_01.jpg

イーサリアム(Ethereum)は、時価総額2位(2020年2月時点)の仮想通貨です。

「ETH」と表記されるイーサリアムは、国内外の多くの取引所で見かけることができ、以下特徴があります。

  • スマートコントラクトを使用した開発プラットフォーム
  • 発行上限や半減期がない
  • ICOへの利用が可能

  • それぞれ詳細を説明します。

    イーサリアムの特徴

    スマートコントラクトを使用した開発プラットフォーム(DApps)

    g_05_01.jpg

    イーサリアムとは、仮想通貨そのものを指す言葉ではありません。 イーサリアムとは本来、分散型のアプリケーション(DApps)のことを意味します。 ※Dappsとは、decentralized applicationsの略称です。

    ビットコインは通貨としての運用を意図して、通貨の取引情報がブロックチェーン上に登録されています。 一方、Dappsであるイーサリアムはブロックチェーンの中に、「いつ、誰が、誰に、いくら支払った」といった仮想通貨の基本取引情報に加えて、さまざまなアプリケーションプログラムを記録/実行できます(スマートコントラクトと呼ばれます)

    このスマートコントラクトを利用することで、多くの事業における取引にも応用できることが知られており、企業間の重要な書面の契約やサービスの売り買いなども行えることから、非常に拡張性のあるシステムとして期待されています。

    つまりイーサリアムのプラットフォームを通してあらゆるアプリケーションの開発や実行が行えるため、仮想通貨を活用した新しいインフラとして機能しているのです。 このプラットフォーム上で使用される共通の通貨が、仮想通貨取引所などで流通しているいわゆるイーサ(ETH)と呼ばれるものになります。 開発プラットフォームをメインとした通貨という点が、イーサリアムが多くの仮想通貨とは一線を画す理由になるでしょう。

    発行上限と半減期がない

    ビットコインなどの仮想通貨は、発行上限が設けられており、希少価値が出るよう初期から設計されています。加えて、発行上限がある仮想通貨では、マイニングにも半減期が設けられており、徐々に採掘される仮想通貨の量を制限する仕組みがあります。

    一方で、イーサリアムは、発行上限のない仮想通貨という特徴を持ちます。 発行上限がないため半減期もなくなる(マイニングの報酬が減少しない)点も特徴です。 上限がないため、長い間イーサリアムを採掘するマイナーがマイニングを続ける理由になるため、今後も安定して供給されることが予想されます。

    イーサリアムの生みの親であるヴィタリック・ブテリン氏は、イーサリアムに発行上限を付けなかった理由について、「特にない」と発言しています。 そのため利用者の要望や仮想通貨環境の変化などによっては、今後新たに上限が設定されるかもしれません。

    イーサリアム考案者はヴィタリック・ブテリン氏

    イーサリアムは、当時19歳だったカナダ人のヴィタリック・ブテリン氏によって考案された仮想通貨です。 ヴィタリック・ブテリン氏は、仮想通貨に早い段階から興味を持ち、ビットコインに関する雑誌「ビットコインマガジン」の創設などによってその業界に貢献してきました。

    2013年にはイーサリアムのホワイトペーパーが発表され、翌年2014年にはイーサリアムのプロトタイプが配信されています。

    ICOにも応用できる

    イーサリアムの仕組みは、仮想通貨を利用した資金調達方法である「ICO」に応用できることでも注目を集めました。

    イーサリアムでは「ERC20」という独自の通貨(トークン)を発行することが可能です。

    ERC20がない時代は、トークンの仕様をウォレットや取引所に応じて変更しなくてはなりませんでした。 ウォレットや取引所に対応していない通貨の送金は基本的にできなかったので、新しい通貨を作ることはとても手間のかかる作業だったのです。

    しかし、ERC20が新通貨の標準規格として提供されたことによって、さまざまな通貨が同じインタフェースを利用できるようになりました。 このようにイーサリアムのERC20をベースに使った多くの通貨を流通させることができたことも特徴の一つです。

    イーサリアムの仕組み

    g_05_01.jpg

    スマートコントラクトとDappsの特徴

    スマートコントラクトを使ったDappsでは、あらゆる取引がプログラムで実行できるためコストが少なく、取引や契約の内容は必ず守られるため通貨の持ち逃げなど不正を起こされるといったリスクを低下させられるのがメリットです。

    また、以下のような特徴があります。

  • 中央管理者を必要としない非中央集権スタイルでの運用
  • 無料で誰でも利用・参照できる(透明性が高い)
  • ブロックチェーンによる安全性の確保
  • 非常に使いやすいネット上の開発プラットフォームとなるのです。

    イーサリアムのマイニング方式

    2020年3月現在イーサリアムのマイニングには、「Proof of Work(PoW)」と呼ばれる方法が採用されています。

    PoWとは仮想通貨の送金時にブロックチェーンに書き込むために行う計算や検証を1番早く完了させた人に対して、新規発行した仮想通貨を報酬として配布するシステムです。 基本的にマイニングを行うパソコンのスペックが高い人が有利であり、実力主義のマイニング方法だといえます。電気代は非常にかかりますが、スーパーコンピュータークラスの計算能力を用いてマイニングしている企業もあります。

    しかし、ヴィタリック・ブテリンは莫大な電力を必要とするこのPoWを問題視して、今後はイーサリアムを「Proof of Stake(PoS)」へ移行すると提唱しました。 PoSとは、マイナーが保有している通貨の量や保有期間を考慮して、マイニングの報酬を決定する方法です。 今後PoSが導入されれば、一部のマイナーだけが報酬を独占するような状況が変わると考えられます。

    イーサリアムの歴史

    The DAO事件

    g_05_01.jpg

    イーサリアムでは、2016年6月17日に、DAOと呼ばれる自律分散型組織の確立のために集めた資金をハッカーによって盗まれた「THE DAO事件」という事件が発生しています。

    約360万ETH=当時のレートで約60億円がハッキングされたこの事件は、安全性の高いスマートコントラクトの脆弱性を狙われたこともあり、仮想通貨業界全体を大きく揺るがしました。

    ハードフォークによるイーサリアムクラシックの誕生

    THE DAO事件ののち、イーサリアムはハッカーの犯行をブロックチェーンの複製によって破棄し、新しいイーサリアムとして発展していくことを決めました。

    しかし、管理者のいない非中央集権の基本である「ブロックチェーンは改ざんされたりルールを変更されたりしない」というルールが破られたことから、イーサリアムに不信感を抱く人が増えます。 その結果、複製される前のイーサリアムを使い続ける人たちが多く出ることになり、旧イーサリアムは現在も「イーサリアムクラシック」として仮想通貨市場に残っています。

    イーサリアムとイーサリアムクラシックにハードフォーク(分裂)したことも、イーサリアムを語る上で外せない歴史になります。

    イーサリアムのアップデート

    イーサリアムは徐々にシステムアップデートを続けています。 「Frontier」「Homestead」「Metropolis」「Serenity」という4つのアップデートがあります。

    すでに3つ目までは完了していて、残るは2020年に予定されているSerenityのみとなっています。 ネットワークのパフォーマンス向上などが実施されるこのSerenityが行われることで、イーサリアムは一旦の完成形となります。

    注意事項
    こちらのページは、情報提供のみを目的としており、仮想通貨取引等の勧誘を目的としたものではございません。
    売買はご自身の判断にて行ってください。
    また、お客さまがこの情報をご利用されたことによる行動の一切について責任を負うものではありません。
    当社は情報提供のためコンテンツを掲載しておりますが、この情報の正確性・完全性を保証するものではありません。